鬱
友人が鬱になった。
会社をやめて転職するのだそう。
今まで近しい友人で、心を病んでしまった人はあまりみてこなかったので、心配というよりなんだか不思議というか好奇心が先に来てしまった感はある。
かくいう友人も、どうやら会社以外の生活は全くもって変化はないらしい。
とにかく長い夏休みをもらったようだ。
会社というのは不思議だと思う。
知りもしない、これまでの生活で一ミリも関わらない人とたまたまチームを組み、成果をあげるよう努力している”演技”を精一杯しながら、自分の生活を守っている。
上に立つ人は、大抵声の大きい人だし、他を蹴落としてでもゾンビのように這い上がっていくだろう。
だけど、仕事に魂を売ってしまったゾンビなんて、相手にしている暇はない。
正直、投げ出して仕舞えば良いと思う。
かたや、ひとりの大人として、たまたまチームを組んでしまった、くだらない上司なんかのために、自分の生活がブレるのはごめんだ。
もし自分が同じ立場になったらどうなのだろう。
だまって社畜になるのか、それとも魂を売るのか。
平成の終わりと共に暮れていく20代最後の夏、自分を案じながらぼんやり考えていた。